伝記
チャドウィック・ボーズマンは、1976年11月29日にアメリカ合衆国サウスカロライナ州アンダーソンで生まれ、2020年8月28日に亡くなった俳優、劇作家である。母は看護師で、父は家具の会社を営んでいたとも、繊維工場で働きながら室内装飾の事業も営んだともいわれる。幼いころは建築家になりたいと考え、武術も続けていた。
T・L・ハナ高校では、議論やスピーチに優れ、バスケットボールでも際立っていた。高校3年のとき、同級生が銃で殺された後に最初の戯曲「十字路」を書き、校内で上演したという。大学のバスケットボール部から誘われたが芸術の道を選び、ワシントンのハワード大学で演出を学んで、2000年に美術の学士を得て卒業した。恩師フィリシア・ラシャードが、友人のデンゼル・ワシントンらの協力を得て資金を集め、ボーズマンらは1998年にオックスフォードの英国アメリカ演劇アカデミーの夏期プログラムに参加できた。卒業後はニューヨークのブルックリンに住み、舞台の演出や出演、戯曲の執筆を重ねた。2002年にはロン・ミルナー作「アーバン・トランジションズ」への出演でオーデルコ賞を受けている。ヒップホップ演劇の運動にも関わり、「ライム・ディファード」などを書いた。
2003年に『サード・ウォッチ』でテレビドラマに初出演し、2008年に『エクスプレス/負けざる男たち』で長編映画に初出演した。転機は2013年の『42 〜世界を変えた男〜』である。ジャッキー・ロビンソンを演じて主演を務めた。この役のオーディションを受けた当時は、演技をあきらめて監督業を追求しようとしていたというが、この作品でスターへと躍進し、ロビンソンの妻レイチェルにも演技を絶賛された。その後も、歌手ジェームス・ブラウンを演じた『ゲット・オン・アップ』(2014年)や、サーグッド・マーシャルを演じた『マーシャル 法廷を変えた男』(2017年)など、実在の人物を演じた。
2018年の『ブラックパンサー』では主演を務めた。マーベル作品で初めて黒人の俳優が主役を担った映画であり、全米映画歴代興行収入で4位につけた。ボーズマンは全米映画俳優組合賞やMTVムービー・アワードで受賞し、この年のタイム100にも選ばれた。『アベンジャーズ/エンドゲーム』にも出演した。
2016年、ステージ3の大腸癌(結腸癌)と診断された。病状を明かしたのはごく少数の人物にとどまり、仕事を続けながら闘病した。病状は進み、ステージ4に至った。遺族によると、『マーシャル』から2020年6月にネットフリックスで公開された『ザ・ファイブ・ブラッズ』に至る作品は、手術や化学療法の合間に撮影されたものだという。最後の映画出演作『マ・レイニーのブラックボトム』では、ゴールデングローブ賞と全米映画俳優組合賞の主演男優賞を受け、アカデミー賞主演男優賞にも死後ノミネートされた。
2020年8月28日、ロサンゼルスの自宅で家族に見守られて亡くなった。この日は、メジャーリーグが全球団で背番号42を着けてロビンソンの功績を讃える日で、新型コロナウイルスの影響で例年の4月15日から振り替えられていた。2015年から歌手のテイラー・シモーネ・レッドワードと交際し、死の数か月前に秘密裏に結婚していたとされる。『ホワット・イフ…?』のブラックパンサーの声での出演は、2021年に死後のエミー賞を受けた。
同じ年に亡くなった人物
- 高田賢三 (2020年没)
- デニス・ラルストン (2020年没)
- Imre Farkas (2020年没)
- イリネイ (2020年没)
- ピエール・ンクルンジザ (2020年没)
同じ地域に関係する人物
- ロディ・マクドウォール (1998年没)
- カーウィン・マシューズ (2007年没)
- A・E・ヴァン・ヴォークト (2000年没)
- スキャットマン・ジョン (1999年没)
- ジョージ・コー (2015年没)