HISTORICAL PERSON · 2015年没

クリストファー・リー

イギリス出身の映画俳優。『吸血鬼ドラキュラ』のドラキュラ伯爵役で有名となり、出演作は250本以上。ギネス記録も持っていた。

生涯
2015年没
死亡地
イギリス連邦(シティ・オブ・ウェストミンスター / ロンドン)
出生地
イギリス連邦(ベルグレーヴィア)
出典
世界地図
イギリス連邦(シティ・オブ・ウェストミンスター)

伝記

クリストファー・フランク・カランディーニ・リーは、1922年5月27日にロンドン・ウェストミンスターのベルグレイヴィアで生まれたイギリスの映画俳優である。父ジェフリー・トロロープ・リーは第60キングス・ロイヤル・ライフル軍団に所属する陸軍中佐で、母エステレ・マリーはイタリアの名門貴族の出身であった。幼いうちに両親が離婚したため、一時はスイスで過ごし、のちにロンドンへ戻った。語学に長け、英語のほかフランス語、イタリア語、スペイン語、ドイツ語、スウェーデン語、ロシア語、ギリシャ語を話せたとされ、ドイツ語やフランス語の映画に出ることも多かった。

1939年、ソ連のフィンランド侵攻で冬戦争が起こると、学友とともに義勇兵として現地へ渡った。ところが実際には戦線から遠い場所の警備を命じられただけで、2週間後に帰国を命じられるまで、ロシア人を一度も見なかったという。その後、市役所職員やホーム・ガードを経てイギリス空軍に入った。パイロットを志願したが視力が足りず、地上勤務の情報将校としてエジプト方面に派遣され、シチリアやイタリアを転戦し、北アフリカで終戦を迎えた。除隊時の階級は大尉である。特殊部隊に出向したとも伝えられ、本人も参加を認めたが、任務の詳細は話すことを禁じられているとしてほとんど語らなかった。

俳優としては、193センチという長身のため、若いころはスタントマンや脇役が中心だった。ハマー・フィルムの『フランケンシュタインの逆襲』でフランケンシュタイン男爵が創る怪物を演じたが、奇怪なメーキャップで素顔は見えず、台詞もなかった。この作品が大ヒットすると、ハマーは続いて『吸血鬼ドラキュラ』を作り、リーはドラキュラ伯爵を演じて一躍スターとなった。ヴァン・ヘルシングを演じたのは、ハマーのもう一人の看板俳優ピーター・カッシングである。翌年には『ミイラの幽霊』でミイラ男も演じ、3年続けて西洋怪談の怪物を演じ分けた。最大の当たり役はドラキュラで、ハマーでは合計7本に出ている。カッシングとは22本で共演し、二人は親友でもあった。

ホラー映画のイメージに縛られるのを避けるため、1977年に活躍の場をアメリカに移し、1985年にイギリスへ戻った。シャーロック・ホームズものでは、兄のマイクロフトと弟のシャーロックの双方を演じた唯一の映画俳優である。『007 黄金銃を持つ男』では悪役スカラマンガを演じ、ボンドの暗い側面を演じたと語った。従兄弟に『007』シリーズの原作者イアン・フレミングがいる。ティム・バートン監督の作品にも5本出演した。『ロード・オブ・ザ・リング』の出演者のなかで、原作者トールキンと面識があったのは彼だけで、サルマンを演じた。前日譚の『ホビット』の2作にも出たが、高齢のためニュージーランドへの渡航が難しく、撮影はロンドンのみで、出演場面も限られた。『スター・ウォーズ』では2002年と2005年の作品でドゥークー伯爵を演じている。

晩年は、朗読やヘヴィメタルの歌唱でも活動し、2010年と2013年にはシャルルマーニュを題材にしたアルバムを出した。出演作は250本を超え、生涯現役を貫いたが、2015年に呼吸器疾患と心不全でロンドンの病院に入院し、6月7日に93歳で世を去った。ピーター・ジャクソンやイアン・マッケランらが追悼の言葉を寄せた。妻はデンマーク人の画家ギッテ・クロエンケである。

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