伝記
デビッド・キャラダインは、1936年12月8日にカリフォルニア州ハリウッドで生まれたアメリカ合衆国の俳優である。本名はジョン・アーサー・キャラダイン。俳優ジョン・キャラダインと妻アーダネルの長男で、キース・キャラダインとロバート・キャラダインは異母弟にあたる。家族からは「ジャック」と呼ばれた。両親の結婚生活は不安定で、離婚と再婚を繰り返した末に、1944年、キャラダインが7歳のときに離婚した。その後は親権や扶養料をめぐる争いが続き、キャラダインは父とともにニューヨークで過ごしたこともあり、寄宿学校や里親の家、少年矯正施設で数年を送ったという。1947年のクリスマスには、父がスクルージ役を務めた「クリスマス・キャロル」の生放送劇に出演している。
のちにカリフォルニアへ戻ってオークランドの高校を卒業し、短期大学を経てサンフランシスコ州立大学に移り、演劇と音楽理論を学んだ。学内の演劇部の年中行事の舞台のために曲を書きながら、雑多な仕事や初期の舞台活動をかけもちしたが、大学は中退した。その後はサンフランシスコやヴェニスのビート族と過ごす時期もあった。1960年には徴兵を逃れようとしたものの陸軍に入隊し、訓練用の絵を描いたほか、基地で劇団の設立を助けた。所属は陸軍とも海兵隊ともいわれる。この時期にラリー・コーエンと知り合い、コーエンは後年、彼を映画「Q」に起用した。
1965年のブロードウェー公演「ロイヤル・ハント・オブ・ザ・サン」でアタワルパ役を演じて評価を得た。連続テレビドラマ「シェーン」に出演したのち、中国武術を修めた僧侶クワイ・チャン・ケインを演じた「燃えよ!カンフー」(1972年から1975年)の主演で世界的に有名になった。この役はブルース・リーも候補に挙がっていたとされる。役をきっかけに中国武術や東洋哲学に関心を持ち、少林拳を中心にその習得と研究に力を注いだ。この作品でエミー賞とゴールデングローブ賞にノミネートされている。
映画ではB級作品や武術映画で知られ、マーティン・スコセッシ監督の「ボックスカー・バーサ」のビッグ・ビル・シェリー役や、「デス・レース2000」のフランケンシュタイン役、ルイ・ラムールの小説を映画化した西部劇「タガート」のガンマン役などを演じた。ウディ・ガスリーを演じた伝記映画「バウンド・フォー・グローリー」ではゴールデングローブ賞にノミネートされた。2003年から2004年のクエンティン・タランティーノ監督「キル・ビル」二部作ではタイトルロールのビルを演じて再評価され、サターン賞の助演男優賞を受けた。1997年にはハリウッドのウォーク・オブ・フェームに星を刻まれた。テレビ番組の司会を務めたり、太極拳や気功の学習ビデオを企画して自ら出演したりもした。私生活では5回結婚し、うち4回は離婚に終わった。生涯を通じて薬物の乱用が絡む事件で逮捕・起訴されたことも少なくなかったという。
2009年6月3日に死去し、翌4日、新作映画「ストレッチ」の撮影のため滞在していたバンコクのホテルの一室で、首と性器にロープが巻きつけられた状態で発見された。マネージャーは他殺の疑いを主張したが、室内に内側から鍵がかかっていたこと、争った形跡がないこと、防犯カメラに出入りする人物が映っていなかったことなどから、現地警察は窒息プレイ中の事故の可能性を示した。死因は事故死とされる。没後の2014年には、武術史博物館の殿堂入りを果たした。
同じ年に亡くなった人物
- ジョン・メイヒュー (2009年没)
- Juvenal Amarijo (2009年没)
- グリゴリー・バクラノフ (2009年没)
- ミラン・ルーフス (2009年没)
- カール・マルデン (2009年没)
同じ地域に関係する人物
- トマス・マートン (1968年没)
- イアジュディン・アハメド (2012年没)
- クアン・アパイウォン (1968年没)
- シーナカリン (1995年没)
- パヤオ・プーンタラット (2006年没)