伝記
ドナ・リードは、1921年1月27日に生まれ、1986年1月14日に64歳で没したアメリカ合衆国の女優である。本名はドナ・ベル・マレンジャー。40年以上のキャリアのなかで40本以上の映画に出演し、フランク・キャプラ監督の『素晴らしき哉、人生!』(1946年)での役で最もよく知られる。フレッド・ジンネマン監督の『地上より永遠に』(1953年)では、アカデミー助演女優賞を受賞した。
アイオワ州デニソン近くの農場で、父ウィリアムと母ヘイゼルの間に生まれた。5人きょうだいの長女で、メソジストとして育てられた。1936年、デニソン高等学校の2年生のとき、化学の教師エドワード・トムキンスから『人を動かす』を贈られ、大いに影響を受けた。学校演劇で主役を務め、キャンパス・クイーンに選ばれ、学力でも学年のトップ10に入った。高校を出て教師を目指したが、学費が払えなかった。叔母の助言でロサンゼルスに移り、ロサンゼルス・シティ・カレッジで学んだ。在学中に多くの舞台に出たが、女優を目指していたわけではない。複数の映画会社からスクリーンテストの誘いを受け、MGMと契約したが、学業を優先し、短期大学士を取ってから契約した。
1941年にMGMと契約し、ロバート・スターリングの相手役で映画デビューした。このときの芸名はドナ・アダムスだった。その直後、MGMは、第二次世界大戦の反ドイツ感情を理由に、名前をドナ・リードに改めさせた。のちにリードは、「映画会社の広報がこの名前を押し付けた。私は好きではなかった」と語った。アンディ・ハーディ映画でミッキー・ルーニーの相手役を務め、大ヒットした。戦時中は、近所にいそうな親しみやすい可愛らしさと優しい雰囲気から、ピンナップが兵士の間で人気となり、兵士からのファンレターには自ら返事を出すことも多かった。ジョン・フォード監督の『コレヒドール戦記』(1945年)では、ジョン・ウェインの相手役の看護師を演じた。
『素晴らしき哉、人生!』のメアリー役のため、MGMからRKOに貸し出された。この作品は、アメリカン・フィルム・インスティチュートが選ぶアメリカ映画ベスト100の11番目になり、毎年クリスマスの季節にテレビで放映される。のちにリードは「最も困難な撮影だった。あれほど要求の多い監督はいない」と語った。1950年にコロンビア・ピクチャーズと契約し、1953年の『地上より永遠に』で、モンゴメリー・クリフト演じるロバートのガールフレンド役を演じて、助演女優賞を受賞した。ロック・ハドソンやジョン・ウェインらと共演し、『ベニイ・グッドマン物語』(1956年)では、グッドマンの妻を演じた。
1958年から1966年まで、当時の夫トニー・オウエンのプロデュースによるテレビ連続ドラマ『ドナ・リード・ショー』で主演した。小児科医の妻で、二人の子の母であるドナ・ストーンを演じ、強く賢く感情豊かでユーモアのある女性として描かれた。8シーズン続いて、ゴールデングローブ賞を受賞し、エミー賞に4回ノミネートされた。一方、従順な専業主婦を推進しているとフェミニストから批判されることもあった。1966年に番組が最終回を迎えると、子育てのかたわら政治活動にも携わり、1967年には反戦運動を行って、女性の反戦団体の共同議長となった。1970年代後期に女優業を再開し、1984年から1985年は連続ドラマ『ダラス』に代役として出演した。しかし、本来の俳優の復帰で降板させられたため、契約を白紙に戻されたとして制作会社を訴え、100万ドル以上の示談が成立した。
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