HISTORICAL PERSON · 2022年没

ルイーズ・フレッチャー

アメリカの女優。『カッコーの巣の上で』の看護婦長役でアカデミー主演女優賞を受賞し、授賞式では手話で聾唖の両親に感謝を述べた。『スタートレック』シリーズにも出演した。

生涯
2022年没
死亡地
フランス共和国(タルヌ県 / Montdurausse)
出生地
アメリカ合衆国(バーミンガム)
出典
世界地図
フランス共和国(タルヌ県)

伝記

ルイーズ・フレッチャーは、1934年7月22日にアメリカ合衆国のアラバマ州で生まれ、2022年9月23日にフランスの自宅で亡くなった女優である。『カッコーの巣の上で』の看護婦長ミルドレッド・ラチェッド役で知られ、この作品でアカデミー主演女優賞を受けた。

生まれたときの名はエステル・ルイーズ・フレッチャーで、二番目の子だった。父のロバート・ケイパーズ・フレッチャーはアラバマ州アラブの聖公会の牧師で、聾者のための教会を四十以上設立した人物である。母のエステル・コールドウェルとともに両親は耳が聞こえず、どちらも聴覚に障害のある人々のために働いていた。ルイーズや、そのきょうだいのロバータ、ジョン、ジョージアナの三人も耳が聞こえ、手話にも通じていた。話すことは、テキサスに住む叔母のもとに送られた八歳のころに身につけたとされ、この叔母が演技の世界への手ほどきもしたという。

ノースカロライナ大学チャペルヒル校を卒業したのち、カリフォルニア州に移った。旅行で行ったが帰る金がなかったという話もある。昼は秘書や受付として働き、夜は演技のクラスに通った。180センチ近い長身のために、相手役の男優より背が高くなってしまい、契約を断られることがあったという。それでも1950年代の終わりには『アンタッチャブル』などのテレビ番組に出るようになり、1959年の『マーベリック』にも出演している。

1960年、文芸エージェント兼映画プロデューサーのジェリー・ビックと結婚し、息子二人をもうけた。家族のために演技から離れ、その期間は十年ほど、あるいは十一年に及んだという。夫婦は1977年に離婚している。

1974年に復帰し、ロバート・アルトマン監督の『ボウイ&キーチ』でマティ役を演じた。この映画での姿を見た映画監督ミロシュ・フォアマンに見出され、『カッコーの巣の上で』に出演する。精神病院に入れられた主人公(ジャック・ニコルソン)を支配しようとする冷酷な看護婦長の役で、キャリアを代表する当たり役となった。この役でアカデミー主演女優賞、ゴールデングローブ賞の主演女優賞(ドラマ部門)、英国アカデミー賞の主演女優賞を受けた。オスカー受賞の際には、手話で両親に感謝の言葉を述べている。

その後も『ザ・プレイヤー』『エクソシスト2』『ブルースチール』『クルーエル・インテンションズ』など多くの映画に出演した。テレビでも活躍の場は広く、『ピケット・フェンス』、『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』のウィン・アダミ役、『ER緊急救命室』などに出た。1984年の『ブレインストーム』ではサターン賞の主演女優賞を受け、1988年には『フラワーズ・イン・ジ・アティック』でサターン賞の助演女優賞の候補になった。一方、1987年にはラジー賞の最悪助演女優賞の候補に挙げられたこともある。1970年代のアメリカ映画の革新を扱ったドキュメンタリーには、本人として登場している。2006年にはフランス映画『ポリス・ブルース』に出演し、2012年には、それまでの出演作とはかなり趣の異なる喜劇シリーズ『シェイムレス』にも顔を見せた。

1990年代に、フランス南西部タルン県のモンデュロース村にある、打ち捨てられた古い農家を買って修復し、毎年、特に夏の時期を中心に半年ほどをそこで過ごした。2022年9月23日、その家で亡くなった。

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