伝記
サンクエンラー・セワジュトゥは、古代エジプトの第二中間期、第13王朝に属する王である。第13王朝の34代目とされ、メンフィスから統治したという。治世は前1675年に始まり、3年と2か月から4か月続いたとされる。ただし年代には諸説があり、前1694年ごろから前1691年ごろ、前1654年ごろから前1651年ごろ、前1644年ごろから前1641年ごろ、前1655年ごろから前1652年ごろとする説もある。
同時代の記録は見つかっておらず、記念物も確認されていない。名が確かに見えるのは、ラムセス2世の時代に作られたトリノ王名表だけである。そこでは7欄5行(8欄5行とする数え方もある)に、部分的に消えた名が記され、イニの次の王として、在位3年と2か月余りが与えられている。日数は失われている。この王は、第13王朝の支配が弱まっていく時期に統治していたため、記録が少ないのかもしれないと説明される。上エジプトのごく一部しか治めず、第14、第15、第16王朝の王たちと同時代だったとも、同じ第13王朝の王と並立していた可能性もあるともいわれる。
カルナクの王名表にも、別の名で現れるのではないかとする説がある。ライホルトによれば、この表にはセワジェンラーという即位名が2つ(33番と59番)、セネフェル……ラーという即位名が2つ(42番と60番)記されているが、それぞれ同名の王は1人しか知られていない。そこで残る2つの名は、サンクエンラー・セワジュトゥと、セアンクエンラー・メンチュヘテピを指すと考えた。書記が誤ったのであり、ヒエラティック(神官文字)ではワジュ、ネフェル、アンクの記号が似ているためだという。ただし、シエスはこれに全面的には同意せず、33番には、即位名がセワジェンラーだったセヘテピブラー・ソセクタウィを当てている。カルナクの祖先の間に見えるセワジェトラーと同一である可能性も指摘されるが、この王名表は年代順でないため、王の特定は難しい。
この王の王朝内での順位は、前の王たちの不確かさのため、確定していない。ベイカーは34代目、ライホルトは35代目、フォン・ベッケラートは29代目とする。名の綴りも研究者により異なり、セアンクエンラー・セワジュトゥとも呼ばれる。